自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

先入感

 平成元年にこばとが発達障がい児の療育のを始めた頃、障がい児の教育といえば身辺自立・生活単元・作業が主流で、時間割のマスに教科学習が割り当てられることはあまりなかったように思います。

 言葉もないし、多動だし、指示に従えないし、何かにつけて介助が必要だし、着席を持続させることもままならないのに勉強だなんて・・・。

 そんな時代にでしたが、学習こそ脳のお薬と信じて手作り教材で,指導を始めました。子どもって障がいがあっても学んで出来るようになることがうれしいし、勉強は嫌いじゃないんだ、とこっちが内心驚いたくらいです。

 言葉がないから、人に関心がなさそうだから、何もできないのではないか、なにも感じていないのではないか、と思うのは周りの思い込み、先入観、偏見のような気がします。たしかに手はかかるし、根気、忍耐は必要ですが。

 昔、年子で二人とも重めの自閉症状があり、一緒にいても互いに関心を見せることもない兄妹いました。

 夏合宿の時、本当は別々のグループでしたが、二人一緒に連れて行った方がお母さんも楽だろうと、同じ一泊二日の合宿に連れて行った時のことです。探検と称して森の散策に出かけた時の事、妹が列を離れて違う方向に走り出すとスタッフより早く兄が妹を連れ戻しに行ったのです。これには驚き感動しました。お互い関心なさそうでいて兄妹と認識していたのですね。関心がないと思っていたのは周りの先入観だった。

 勉強も出来ないんじゃないかと思わずに、やらせてみることですね。

こばとの手作り教材、今は市販していて107条図書にもなっています。31年度文科省から3800冊超の注文がありました。子ども達が勉強しているのがうれしい!

 

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