自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

今なら出来る

 先日パソコン教室に来た、支援学校中等部3年の男子、自分で自分のスケジュール表を作れるほどパソコンを自分のものにしつつあります。

 障がいとしては重度の彼、就学前こばとに来た頃は、寝転んで泣いたり、指をしゃぶったりわざと目をつぶって模倣などしようとしなかった。

 その彼がダンスをして見せてくれたんです。

 いつもパソコン終了後子ども達には5分間フリータイムを与えてパソコンを自由に(YouTubeを見たり好きなサイトを見たり)に使わせています。彼らの今の好みを知りたくて。

 彼はその日「おかあさんといっしょ」の動画を見て、画面の幼児と同じダンスを笑顔で踊って見せてくれたのです。幼児の時はやろうとしなかった、できなかったけど今なら完ぺき、とばかりに。

 彼のダンスで思い出したことがあります。昔、ご両親の希望で普通級に入学した中度の自閉症の男の子がいました。

でもそこは彼にとって安心の場ではなく、不安いっぱいで担任のそばを離れようとしなかったので、2年の時支援級のクラスに移りました。

 そこでは落ち着いて、友達とも関われようになり精神面も成長。4年の終わりの時、彼は次は普通級の2年に行きたいと言い出しました。

 かって不安に過ごした普通級も今なら自信を持ってやれる、やり直したいと思ったのでしょう。お母さんからその話を聞いた時、胸が詰まる思いでした。今なら出来る、という思いをかなえてあげたいけど遅すぎたね。

 ゆっくりだけど自閉の子は彼らの時間の中で成長してるんです。

 

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