自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

脳は不思議

前回は催眠のことを書いたけど、ちょっとその続き。

自閉症の療育、育ちに関わった人はしばしば経験したことがあると思いますが、

彼らが9歳10歳の頃、退行してるのではと不安を感じさせられることがありますよね。

 

 幼いころに見たり遊んだ物をまたやり始めたり、幼児期の話をするので、えっどうしたの?。と周りの人はちょっとびっくりします。

 

 療育していた頃その記憶力にびっくりする経験をよくしました。

その中の一人の男子。幼児期は自閉症状が強い子でしたが、高機能で確かに記憶力抜群、歴史の年表などばっちりでした。

 

彼が5年生の時、自分の小さい頃を覚えているかと聞いたら、1歳の時ディズニーランドに行ったことがある、と言いました。[楽しかったでしょ?」と聞くと「嫌だった、早く帰りたかった。」という返事でした。

 後でお母さんに話すと、確かに1歳の誕生日の時、おばあさんと一緒にディズニーランドに連れて行った。けれど帰ったその晩、熱を出したと言っていました。

 彼の記憶では具合が悪くて早く帰りたかったんでしょうね。

 

 彼に限らず9歳、10歳つまり少年から青年に変わっていく頃、脳の中でも組み換えが行われるのか、幼児期のことを思い出して話す子が多いですね、特に男子。

 脳は不思議。脳は全てを記憶してるんだなぁ、と思います。

しかし、この時期を過ぎると幼児期の事はあまり言わなくなります。くだんの男子は某有名私立大学を卒業して今は社会人です。

 

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