自閉症の世界を読んでくださってありがとうございます。
これまで自閉症児の大声出しや奇声・パニックなど騒々しいことばかり、つい多く書いてき過ぎたかもしれません。
彼らにも存在を忘れさせるような、静かな時間があります。それは【感覚遊び】をやっている時です。
そんな時は呼んでも振り向きもせず、没頭、忘我の境地・
蛇口から流れる水に手を浸す、
砂をつかんで目線の上からパラパラ撒き続ける。
砂がなければ細かくちぎった紙を紙吹雪のようにばら撒き続ける。
換気扇などくるくる回るなど物を飽きずに眺めている。
換気扇がない時はおもちゃの自動車のタイヤを目線の横に置いて、
つまり床などに寝転んでくるくる回し続ける。
パラパラ漫画のように本を頬の横でめくり続ける。それが実に器用でうまい。
紐をふる。紐が同じ軌跡を描くような巧みな手の動かし方 。
目の前で手を広げてひらひら動かす。
ロッキングなど自分で同じ動きを繰り返す常同行動。
周りの者は「何がそんなにおもしろいの?」と言いたくなります。
しかし、これらの行動はまるで瞑想のマントラのように、彼らの気持ちを落ち着かせ、心地よくさせてくれものなのかもしれません。
気持ちよさそうにしているからそっとしておいてあげよう、好きなだけやらせておこうと、つい思いたくなります。
でも、私の療育経験からいうと、本人は心地よいかもしれないけど、好きなだけやらせてしまうと瞑想の世界?自分の世界に入り込んでしまい、こっちの世界への反応が弱くなってしまう感じです。
静かに一人で時間を過ごしてくれて助かる、と黙認したくなります。
しかし、こっちの世界・日常の生活を意識させるためにも【感覚遊び】に入り込まないようにしてやるべきかなぁ、というのが持論です。