自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

変身願望

五体満足なのに、一歳前からなんか育てずらい、

しっくりこないという子がいる一方、

 

一歳ぐらいまで特に他の乳児と違うとは思わなかった。

笑み返しもあったし、アイコンタクトだって普通だった。

一言、二言の言葉もあったし、指差しもした。

 

しかし、折れ線タイプは2歳頃にこれらが消失する。

 脳のシナプスの刈込が多すぎるのかも?・・・・。

 

自閉症は2歳前後から症状がはっきりし始める。

 

目が合わない。後追いしない。呼んでも反応しない。

泣くと長いし、寝ぐずりもひどい。睡眠のリズムが定まらない。

抱っこしても嫌がるように体を反らす。

 

 かと思えば、おとなしくて手がかからなかった。寝すぎるくらいだった、という子もいる。(寝すぎるというのも睡眠障害になるんです。)

 

 手のかからない、寝すぎるタイプの軽度自閉症女子は10歳過ぎた頃に、

 お母さんに「お母さんは私が赤ちゃんの時、お家に一人ぼっちにしていつも近所に出かけていたでしょ!」と非難がましく言ったそうだ。

 「そんなことあったかも。」と軽く流したが、図星だったので内心驚愕した、と話してくれたお母さんがいた。

 

 症状が出始めの2歳の頃は、重度、軽度の自閉症もアスぺルガーやADHDの子も言葉が出ていなかったり、多動だったりして正確な診断がされにくい。

 親へ問診や子供の行動観察などで、自閉傾向などど言われることが多かった。

 

 2歳8か月の時公的な療育センターで自閉傾向と診断され、その足でお父さんがこばとに子どもを連れて相談来た。(私もそういう相談には弱かった.すぐOK。)

 

子どもは発語がなかった。

しかし自閉の症状、仕草、目の使い方が出始めていた。

多動性はなく臆病な性格。

療育を開始すると自閉症ではあったが視覚認知は高く、集中力があり軽度だった。

 

また同じ頃、3歳の女の子も両親に連れらて面談に来た。

こちらも言葉がなかった、

しかしかなりの多動で、集中も短かった。絶えずよそ見をしていた。

 

男の子も女の子も言葉をしゃべるようになった。

男子は軽度自閉症、女子は知的には中位下のADHDとして成長していった。

 

 

 重度の自閉症自閉傾向の子ども達の療育はいろいろ研究され、工夫されて環境も平成時代に随分改善されたと思う。

 

 後回しにされたのはADHDタイプの子ども達だったろう。

 

 ADHDは喋り出すのは遅いが喋り始めると普通に喋れるタイプ。

人を傷つけるようなことを平気で言うが、自分が傷つくことには敏感。

 

根に持ちやすく、しつこくなりがち。

自覚しているかどうかは別に、嘘をついても平気だったり、言い訳が多く謝らない。。注意集中力が低いので、叱責・注意されることも多い。

感情の振幅が大きく、我慢の沸騰点が低いので度を越した行動をしがち。

 

次第に自己肯定感を持ちにくくなる。

 

成長するにつれて、他人を比較したり上下関係、強弱関係に敏感になっていく。

9歳ぐらいになると自分が回りと違う、と思われることを嫌がるようになる。

 

こばとの療育は普通の塾とは違う。

通う子どもたちも普通とは違う。たとえ、勉強は自分より出来ても。

それを友達に知られるのは嫌だ。

自閉症の子ども達にはあまり育たない感情が芽生えてくる。

そして、療育を止めたいと言い始める。親は止めさせたくないと思っていても。

上記の自閉症男子は嫌とも思わず、療育を続けたが,ADHD女子は5年生で止めた。

 

私は本人の気持ちを尊重しよう、と言った。

 

 

 彼女は普通の高校に進んでいるが、こばとに通っていたことがばれるんじゃないか、などと思わず、療育に通ったことなど忘れて、自分に自信を持って生きて欲しい。

 

ADHDの子の思い出はありすぎる。

次回も書くつもり。

 

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にんじんを盗み食い。