前回の記事に、ta-sanのpapaから
自閉症の子どもを授かったら、
父親、母親ともに自閉について講習会などで学習して、
両親ともに子どもに関われることが必要。
というコメントをいただいた。
本当に、本当に、そうだ、そうだ、と思う。
そうなれば自閉症の子どももどんなに生きやすくなる事か!!!
しかし、自閉症は親自身、受け入れるまでけっこう時間がかかる。
目に見える障がいであればまだしも、五体満足なのに何故?
そのうち、なんかの拍子で普通になるんじゃないのか?
言葉の遅れが目立ってくると、やはりそうなのか、と思うようになる。
日々、子どもに接している母親は現実、事実を徐々に受け入れざるを得ない。
そして覚悟を決めて療育を始める。
しかしこばとの長い療育期間の間、父親の中には頑として障がいを受け入れられないままでいる人も少なからずいた。
夏合宿をやっても父親は見送りにも、出迎えにも来ない。
ボーリング大会をやっても一度もお父さんの顔を見たことがない。
反対にこばとの療育を受けるため父親、母親がそろって初回の面談を受けに来て、育て方を聞いて帰る家もあった。
そんな家庭に生まれた自閉症児は幸運だ。
面談に来ないまでも、父親が療育の送迎を時々バトンタッチしてくれる家もあった。
私は立ち話でお父さんと話した。
話し方で子どもを受け入れている、子どもをよく見ていると愛情を感じた。
しかし、お母さんが一人で抱え込んで頑張っている家の方が多かった。
公的機関でないこばとの療育の月謝を出すのを認めてくれる父親はまだいい。
お金をかけるのは無駄だから、とやめさせた家もあった。
長いこばとの療育の間、実に様々な家庭を見て来た。
母親は息子の自閉症を早期から受け入れ、ドーマン法なども取り入れるなど、
療育に心を砕いていたが、父親は息子が手づかみでご飯を食べるのが許せなく、
片方の手をハンカチで縛る、と母親は悲しそうに話した家もあった。
結局は離婚した。
また、ある家の母親は自閉症息子を幼児期からこばとの療育に通わせていた。
小学校入学の時、父親は障がいを認めがたく普通級に入学させた。
しかし、子どもにとって厳しい環境なので母親は支援級を考えるようになった。
父親は納得できないので診断が欲しいと、こばとに紹介状を依頼してきた。
国立の障がい児診断、治療の最高機関宛て。
紹介状を書いた。
紹介状を書いたのでこばとにも診断結果が送られてきた。
結果はこばとがずっと母親に言ってきたこととほぼ同じだった。
父親はよほどのショックだったのか、診断がでた後骨折した。
息子は支援級に移った。
父親の無理解のため、母親は疲弊して離婚に至る家庭もけっこうあった。
夫婦間のいざこざがない方が子育てしやすい、という母親の判断かもしれない。
自閉症と診断された段階で父親と母親が揃って、
自閉症児の育て方のコツを指南してもらえれば、どんなにいいだろう。
親が思うように自閉症児をしつけ出来ないと、
激怒したり、虐待、ネグレクトしたりすることを防止できるだろう。
そうすれば、自閉症児者の持つ能力、才能を社会の役立つ資源と出来るはずだ。
自閉症と診断後、父親、母親をセットにした子育て支援のしくみが出来れば
どんなにいいことか・・・・
そのような両親に育てられた自閉症児は将来、人手不足の解消にも貢献するだろう。