自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

温度差

温度差のない自閉症育てはむずかしいのか?

 

 児童虐待のニュースの時に、いつも聞くのは

情報の共有が欠けた、不足した。

またかというような、担当者の言い訳、弁明を多く耳にする。

 

情報の共有の不足は、自閉症教育の現場でもしばしばあるようだ。

 

こばとのパソコン教室に通っている重度自閉症の美少女は

市立の支援学校の高等部一年生。中学までは支援級に通った。

 

過去記事でも取り上げたことがある。

 

kobatokoba-kosodate.hatenablog.com

 週1でかようこばとのパソコン教室でも連絡帳があり、

彼女のお母さんは学校のことを細々と書いてくる。

 

 

 高等部に通うようになってから、登校の時緊張した険しい顔をしたり、

帰宅後夜 泣いたりするのでお母さんは不安になり、学校での様子を問い合わせた。

 

すると、担任から

同じクラスに唾をかけたり、(エルボー)肘打ちを食らわす自閉症女生徒がいて

彼女はそのターゲットにされているとの話。

 

 

 お母さんがこれでは学校に行かせられない!!と抗議すると

担任の先生たちは、生徒の作業班を別にするなどして、

出来るだけエルボー女生徒とは接点を作らない工夫をする、

ということで、彼女の娘は何とか登校に前向きになった。

表情も回復した。

 

しかし、エルボー女生徒に対する対策は近づかせないだけだった

 

お母さんの連絡帳には次のようなことが書いてあった。

 

エルボウ―女生徒の中学時代の担任だった

体育会系女先生が高等部一年の見学に来て驚いていたという。

 

エルボー女生徒の唾吐き、肘突きの他害行為は中学時代に消滅させたはずなのに、

なぜ復活しているのか、怒りを込めてお母さんに話したそう。

 

 

実は体育会系女先生は、エルボー女生徒のいる学校から

娘の支援級に赴任してきて学級の担任になった先生でもあった。

 

中学3年の時

 

赴任する前、支援級には娘と同じ2年生に他害女生徒がいて、級友だけでなく

先生もけがをさせられて保護者の間でも問題になっていた。

支援級には複数の担任がいたが、物理的に他害女生徒を引き離し、別場所で

先生が一人付くという対策しかとれなかった。

 

新しく赴任してきたその体育会系さっぱりした女先生は違う対応をした。

 その先生は他害女生徒の行為を敢然とスル―するだけでなく

彼女を受け入れ,級友の中に入れていった。

 

女生徒の他害は次第に下火になり卒業時にはクラスメイトの中に納まっていた。

他害の理由は自分を見て!見て!の気を引きたい行動の誤学習。

 

 

 

お母さんは高等部に来てまで、他害?!と嘆いたが、

学級担任はなるべく接点を減らす、近づかせないようガードする、

という対策をとってはくれた。

 

 

しかし、エルボー女生徒の他害行動は改善されていない。

 

お母さんが参観日に教室を覗いた時、エルボー女生徒は

先生が止める間もなくお母さんに近づき、速攻、唾をかけた。

 

「無視したけどそれでよかったのでしょうか?」と

 パソコン教室の連絡帳に書いてあった。

 

話しかけたい、挨拶代りだったのだろうけど。

人との関わりを誤学習したまま。

支援学校ではまだ修正の対応が取られていないようだ。

 

悲しいことだね。

 

中学の時に修正に成功していた。

その情報がなぜ共有されていないのだろう。

スル―するだけでは修正されない!!!

 

わぺこ(id:wapeko)さんの10-29のブログにも同じような対応に奮闘する記事が載っていましたね。

 

2019-10-29 君らぜったいMやわ(笑) 養育里親 試し行動 愛着障害 発達障害 里子ラブリン(4)委託3ヶ月と3週間

君らぜったいMやわ(笑) - 進ぬ!養育里親 

 

 

 

他害同様、自傷も修正は難しい。

 

 歯科治療で診察台に押さえつけられえたことがきっかけとなって、

 あご叩きの自傷行為が始まった重度自閉症男子。支援級在籍。

 試行錯誤の苦労の末、自傷がおさまって来ていた時、

 新しく彼の支援級の学級担任になった先生が、

 彼が床に寝ころんだ時、上から抑え込んだというのだ。

 彼にとっては禁じ手た。あご叩きの自傷行為が再発してしまった。

 自傷自閉症にありがち、というのが先生の言葉だったそうだ。

 

彼は支援学校に転校した。

 

自閉症に対して、先入観や決めつけで対応してはならないし、

自閉症育てに各現場の温度差があってもまずい。

 

自閉症児が誤学習を引き起こしたりしないよう、

問題行動の修正は共通認識が必要だ。

 

現場の各人が体面や遠慮を捨てて、自閉症育ての情報を共有し合って

自閉症児者が社会で生きやすくなるような育てができればいいのになぁ。

 

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変身がうまいの!!