自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

心のささえ

おかげさまで大仕事が一段落

 

ダンボール58箱、梱包終了!!!

紙物なので、ひと箱でも物凄い重さ、

ヤマト運輸のドライバーさんの負担にならないよう

5日間に分けて発送中。とにかく終わった。

子ども達の手に教材が届くと思うと楽しみ。

食いつきがいいといいなぁ~

 

話は変わるが、

自閉症児にとって心のささえは必ずしも人間とは限らない。

昔、療育に通っていた自閉症男児は、ケロヨンのくしゃくしゃのハンカチを

ズボンのポケットに入れていて、しょっちゅう触っていた。

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薄手の木綿のハンカチだった

 

 3歳からこばとの幼児教室に通って来ていた自閉症美少女は、

どこで拾ってくるのか,BB弾のような小さな粒を人差し指と親指で

ギュッとつまみ続けて、一時も手放せなかった。

なので幼児教室の体育の時間も、小さな粒をつまんだままの手で、

鉄棒も跳び箱も介助でやった。

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撮める粒状の物なら何でも。

 

 

何かしら手に握りしめていて、なかなか手放そうとしない子供は何人もいた。

トミカだったり、ひも付き玩具だったり・・・お気に入りの物。

 

 胎児の時、臍の緒でも握っていたかもしれないね、

とスタッフ同士では理由づけしていたが。

 

 自閉症児に限らず幼児、幼少期の子どもはぬいぐるみやお気に入りを

いつも持ち歩いて、食事の時でさえ横に置いていたりすることはよくあることだ。

 

そういえば、我が次男もそうだった。

彼が2歳の時、双子の弟が生まれた。

かまってやれなかったせいか、指しゃぶりをしたのは次男だけだった。

お気に入りをいつも持っていたのも次男だけだった。

 

お気に入りの名前はおぼちゃん。

猫ともネズミともつかない、くたくたの20センチほどの灰色のぬいぐるみだった。

タオル地で作られていて薄汚れて臭いもしたが、彼にはそれが良かった。

寝る時はその臭いを嗅いで指をしゃぶって眠りにつくのだった。

時々洗濯し、とれた足や手は別布で補修した。

 

さすがに幼児期を過ぎてからは手に持つことはなかったが。

机の引き出しに小さな布団を敷いて寝かせてあった。

高校を出て大学浪人する時、どうするか聞いたら処分していいと言った。

私のほうがなんか、取っておきたいような気持だった。

彼は一浪して芸大に入った。

今は畑付き自宅で一人仕事。独身。犬一匹。

おぼちゃんの事は覚えているだろうか。

 

話が逸れてしまった。

 

少年期でも心のささえは人間ではなくというのは結構あった、。

 

夏合宿で小学校高学年を山歩きに連れていった時のこと。

5年生だったか、6年生だったか太めの重度自閉症男子は、

薄暗い山中の沢の横にあった下り坂を怖くて降りれなかった。

下から大声で降りるように促しても足を踏み出せず立ちすくんでいた。

そして、なんと、山の向こうにむかって口元に手を当て

「ドラエもぉーん助けてー」と、叫んだのだ。

 

助けを求める相手がちがうだろ!と怒る気にもなれず、

無言で引きずり下ろしたことを覚えている。

 

 

また別の小学校高学年の中度自閉症男子は怪獣をコレクションしていた。

 

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かなりの数を持っていた。

 

学校から帰ると、

毎日、必ずジオラマのように居間のあちこちに怪獣を置いて回る。

母親は寝る前には必ず片づけさせるものの、内心うんざりで、

いい加減にしてほしいと面談の度に言っていた。

しかし勝手に捨てると大変な事になるのは想像できたので、黙認していたそう。

 

息子が怪獣でジオラマを作っている時、

何かぶつぶつ言っている。

よくよく聞いていると学校の先生が言っているようなセリフ。

怪獣を先生に見立てて学校の様子を再現しているようだ、とお母さんはあっけらかんと笑って言っていた。

先生が怒る時のようなセリフもあったそうな・・・

 

 

そんな話があってからしばらくして、

また面談の時、息子の怪獣について話してくれた。

 

なんと息子が怪獣を全処分したというのだ。

何の風の吹き回しか知らないが、いとこの男の子に全部の怪獣をあげてしまった。

あれほど執着していた怪獣を、しかも全部あげるなんてびっくりした。

しかし、理由は謎のまま、聞き出せないまま。

 

自分の何かにけじめをつける気になったんだろうね。

お母さんと私は彼の精神的成長ということでよい方にとらえた。

 

何がきっかけなのかわからないが、そんな断舎利は彼らの成長と思いたい。

 

しかし、ストレスや緊張がある時は彼らも癒しが欲しい。

 

こだわり復活ッ!!

 

と、親を不安にさせるが、

幼児期心の心のささえグッツは思春期の癒しグッツに変わる。

 

今でもこばとには、昔の幼児用の絵本やら、絵と単語のカード、

おはじきやコイン落としがおいてある。

パソコン教室に来ていた支援高校の女子高生、

就労面接直前にパソコンに来た時、

幼児期になじんでいた幼い本、教材用具を

長いこと、無心に触ったり読んだりしていた。

 

そんな小さい子用の物を!!、などとは思わなかった。

癒されて、緊張ほぐして面接頑張ってね、と思いつつ好きなようにさせていた。

 

大手の食品スーパーに就労。

 

 

幼児期の心のささえグッツ癒しグッツにもなりそうなので

取っておくのも悪くないかもしれない。

 

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カフェ大好き、コーヒーの香りがたまらない。