自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

ひびきは続くか?

 

切れかかった糸はつながるか?

 

前記事でちょっとふれたパン屋のひびき

福祉ショップひびきは後継者がないので、

グループホームもパン屋も来年にはたたまざるを得ない!と聞いた。

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手作りのちらし

閉鎖する前に話を聞きたい!

訪ねてみようと思い立った。

思いったたらすぐ行動が(悪い?良い?)私の癖。

 

一駅先なだけ、遠い所ではない、とすぐアポなし訪問することにした。

 

こばとを訪問を訪問する人もアポなし、

突然来る人が多いと書いたことがあるが・・・

 

なんだ、自分も突然!アポなし訪問じゃないか!!!と突っ込み。

 

普通の民家、窓から板を張り出してパンを並べて売っている、と言うアトリエカフェ

オーナーの話とちらしをたよりに道路沿いのそれらしき民家を探した。

 

あまりにぎわっている通りではない。

空き家もちらほら。

その中で、周りとは不釣り合いなほど立派な納骨堂が建っていた。

そこだけ輝いていた。

数年前、住民の反対運動もあった、と聞いた。

 

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今は周囲と不釣り合いなほど立派な建物。

 

 

通りは後継者のいなさそうな豆腐屋だとか、古い店舗が並んでいる。

人通りも少ない。

 

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後継ぎはいなさそうな

 

 きょろきょろまわりを見て歩いていたが、見過ごして通り過ぎてしまった。

通りすがりの人に、聞いて少し戻るとあった!

 

本当に、民家で、間口は狭く目立たなかった。

玄関脇の窓から張り出した板の上に、パンが入った籠が並んでいた。

とりあえず、パンを2個、買った。

売ってくれた人は若い人だった。

 

それから図々しくも奥を覗き込んで、「少しお話を聞きたいのですが。」と言った。

 

話を聞きたいと言うと、私と同じ70代くらいの女性が出てきた。

 

訪問の意図を話すと、立ち話でもなんですからと中に案内された。

応接間と言うより、物置風で狭く、いろんなものが積み重なっていた。

床に置かれた物をどかして代表女性と肩を並べるようにして座った。

 

応接間の奥の方から若い人がも出入りしたり、顔をのぞかせた。

たぶん奥の方は広くパンを作る工房になっているのだろう。

ひびきには15人ぐらいの精神障害の人が通って来ているという。

 

そうしているうちに若い女性の方が籠の入った大きな袋を持って帰ってきた。

パンが一個売れ残った、と代表女性に報告していた。

 

聞けば、昼時はなじみの病院にパンを売りに行くのだという。

 

代表女性は話し好きの方で、ひびきの窮状、現状をいろいろ話してくれた。

療育もそうだが、このような福祉も採算が取れなくて、

持ち出しが多いということでは話が一致した。

私も代表女性も年金暮らし。

 

ひびきがなくなるということ、

後を継ぐ人がないということを

 

二人でため息混じりに嘆いて話を締めくくった。

 

 

翌日はアトリエ・カフェのレンタル日だった。

療育相談に来る自閉症小学男児の準備をしていると、

知り合いのの男性が訪ねてきた。

やっぱり、突然のアポなし訪問。

 

彼は海外青年協力隊でインドネシアで理髪師の指導をやっていた。

帰国した後、家業の福祉関係の仕事を手伝い自分でもNPO法人を立ち上げた。

私も理事の1人。

インドネシアのハラル料理を出す、キッチンハリマオを運営。

 

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キッチンハリマオ

 

 

就労支援や子供食堂もやっている。

何しろ両親、3兄弟・皆介護施設や児童ディサービスをやっているのだ。

インドネシア語や中国語も出来るので外国人とのつながりも多いようだ。

 

 

彼は今後グループホームもやりたいと言った。

 

えーっ、渡りに船じゃないか!!!

 

早速、福祉ショップひびきのことを話した。

彼はひびきのことは知っていると言った。

 

私は、「ひびきは後継ぎがないので、来年の3月に閉めるらしいよ。

引き継げるんだったら話してみれば。」と言った。

 

彼は「そういう事情があるなら考えてみる。」と言った。

きっと家族会議をするだろう。

 

彼が来てから3日目に私はひびきに電話した。

「介護サービス〇〇の男性がそちらに行くかもしれないが、

知り合いなのでよろしく。」

 

「もう来ましたよ。3人で。」ひびきの代表女性は笑いながら言った。

 

行動、決断が速いなぁ。

件の男性と家業の副代表をしている母親,介護や相談事業担当している弟。

3人で・・・

 

実行力のある一家だ!!!

 

いろいろ条件や引き継ぎ方も話し合わねばならないだろうが、

うまく話がまとまって、精神障害者が働ける場所、

生きがい、よりどころとなる場所

福祉ショップひびきがこれからも続いていくといいなぁ。

 

みんながそれを望んでいる。

 

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