自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

セクシャルハラスメント

セクシャルハラスメント予防

 

早期虐待抑止に踏みとどまれても

 

根気・忍耐・気力

心身をすり減らす、無償の愛情が必要な自閉症育て。

子どもは何歳になっても心配ごとの種が尽きない。

 

他害、自傷、こだわり、奇声も悩みの種だが

年齢に応じて細々とした心配がいろいろ出てくる。

 

 年頃になると、年頃なりの別の心配事もでてくる。

 

こばとでは、療育に通う女子のお母さんに、

早目に生理の手当の指導をするようにアドバイスしてきた。

 

体型に関係なく、小学3年ぐらいで初潮を迎える子もいるからだ。

胸がさほど膨らんででいなくとも、グラマー体型でなくとも・・・

 

こばと開設して最初の頃は、私も女子の生理まで気が回らなかった。

 

なので、療育に通っている女子が自分の生理にびっくりして、

お母さんに「ぺったんこ(絆創膏)ちょうだい。」と言って来た、という話や

 

体格は良かったが、中学になってやっと生理がきた重度自閉症女子が

車に乗っている最中にナプキンをはずして、リアウィンドーに張り付けたと、

と言う話をきくにつけ、

 

女子のお母さんには早目に生理教育をするようにアドバイスすることにしてきた。

 

自閉症の子ども達も、体の性的発達は普通の子と同様。

(社会的抑圧を感じることが少ないためか、むしろ成熟が早い感じもする。

 知的には子どもなのに、体だけが大人になって・・・と嘆く親もいるが。)

 

夏合宿でお風呂指導を重視した訳は、

小学校の4年生までには一人でお風呂には入れるようにするためだ。

 

特に男子が母親といつまでも入浴を一緒にするのは好ましくない。

人に関心が薄くとも、女性の体には関心を示すからだ。

 

1人入浴と同時に、人との距離感を取れるように気を付けさせた。

特に男子は年頃になると母親にべたべたしたがり、

髪の毛に触ったり、臭いを嗅ぎたがる。

<今頃になって愛着が出てきた、と勘違いしてはいけない。>

特に、長い髪の女性は好きで近寄りたがる。

 

こばとでは、長い髪の若いスタッフも指導の時は、きちんと髪を結ばせ

子どもが容易に髪の毛に触れないように気を配らせた。

 

髪の毛は性ホルモンが特に強く感じられる部位なのだろう。

 

自閉症の男子に限らず、女子も

羞恥心が乏しかったり、

下心のある人間に対して警戒心が薄いので、

日常的にも、人との距離間を持たせるようにさせ、

むやみに人に触ったり触らせたりしないよう、気を付けさせた。

 

 

怒ることはあまりない私だが、ひどく腹を立てたことがある。

 

それはパソコン教室に通っている中学生の重度自閉症(かなり美女)の

お母さんのパソコン教室用の連絡帳を読んだ時だった。

 

体育祭の練習の時期だった。

その日、市の教育担当の中年男性が支援学級の指導を見学に来ていたそうだ。

体育の時間、体育祭の組体操の練習があった。

教育担当男性は離れて見学しているのではなく

組体操が始まると女子生徒の介助に入った、と言うのだ。

体操着、足は剥き出しの生足。

 

私はお母さんの連絡帳に、学校に厳しく抗議するように書いた。

障がい児とはいっても年ごろの女性、気安く触っていいというものではない。

 

組体操などの介助は女性であるべきで、

教育指導とはいえ中年男性にさせるべきではないと。

 

その後、学校担任も気付き、介助の有り方は改善されたそうだ。

 

 

こういってはなんだが

父親も娘に知的障害があると、幼いままに思うのか

娘が体つきは大人同様になっても、年頃という意識が薄いことがあるようだ。

 

ある年の親子ボウウリングに大会に

6年生の軽度自閉症の女子と父親がペアで参加したことがあった。

母親は不参加で観戦にも来なかった。

 

父親は娘の投球の度に付き添い、

娘の体にぴったり寄り添って投球フォームの介助していた。

娘のレベルからいって、

そこまで介助しないで、娘に自力で投球させてもよかったのだが。

 

他の保護者が大勢いる面前で、

私も口を出すわけにはいかなかった。

6年女子が父親を押しのけたり、嫌がったりしている様子を見せてくれれば

父親に、娘に自力でやらせてはどうか、と勧告できたのだが。

 

定形発達の6年女子であれば、父親が密着して介助することに抵抗を

示すことだろう。

6年といえば大人顔負けの体型になる女子もいる。

普通学級でも男性担任は、生徒だからといって

気安く女子生徒の体に触れれば問題になりかねない。

 

性に関する問題は障がい児、自閉症児であっても避けては通れない。

 

年頃の男子が女性に興味を持ち、コンビニでポルノ雑誌を見たという話や、

パソコンでポルノ画面をぴっぱり出して見ていた、という母親の話も聞いた。

女子も年頃になると若い男性教師に色目を使ったりする。

 

療育期間中こんなこともあった。

 

一人っ子の娘が6年になった時、

お父さんが深刻そうな顔で相談に来たことがあった。

 

娘は中度の自閉症

男っぽい雰囲気で、電車大好きの鉄ちゃん系。

 お父さんも子育てにはとても協力的だった。

 

「実は娘が自分を避けるようになったんです。

嫌われるようなことは何もしていないのに、

娘は私を嫌っている様子なんです。」

 

 

私は

「それでいいんです。

生物学的に父親を避けるような年頃になっているんです。

近親相姦になったら困るじゃないですか。

男子が年頃になると母親に反抗的になるのも同じ理屈です。

人間も近親相姦にならないよう、脳ができているんですよ。」

 

娘さんがもう少し大人になって,他に好きな人がでてきたら、

避けたりしないで、また前のように仲の良い親子に戻りますよ。」

 

父親は半分納得したような、まだ半分不安そうな顔をしていた。

この父娘はその後良い親子関係になっていった。

 

 

こばとの療育に通う子供は、圧倒的に男子が多く女子は少なかったが、

女子の中には大丈夫かなぁ、と気になるケースもあった。

 

 

長くなってしまったので次回に・・・・

 

 

 

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シェリーは元気すぎ!!