自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

続・続・愛着障害

親はどうすればいいのか?

 

前記事で

 

普通に、親として当たり前に育てあげたつもりだったのに、

結婚・離婚した娘から

思いもよらなかった言葉と、

子どもから親への勘当?を言われた、という話を書いた。

 

それまで気付きもしなかった長女の感情が

結婚・離婚で、パンドラの箱が開いたように

愛着障害として突然露呈、噴出したようなのだ。

 

虐待やネグレクトをしたわけでもない。

身に覚えのない(意識しなかった)両親はさぞかし

打ちのめされたことだろう。

 

世の中には、生育過程の負の感情を意識下に押しこめたまま、

なんか人間関係がうまくいかないなぁと、生き辛さを感じて

生きている人も多いかもしれない。

 

近年は、自分は発達障がいかもしれない、と思う人と同じくらい

自分は愛着障害かもしれない、という人が表面化してきている。

 

昔は見なかった毒親という単語が付いた本が、

本屋の目抜き通りに並んでいる。

 

 

子供を愛して育てている、と思っている親が

自分の育て方の何かが愛着障害の種をまいているのではないか、

と思ったら、とても子育てに不安になる!!

 親ならば、そんなつもりはなくても無意識で

親の価値観を押し付けてしまうことだってあるだろう。

 

 

親はどうすればいいのか?

 

 

戦後、病院での出産が当たり前になった。

母親の側に乳児のベットはなく

新生児室に連れて行かれることがほとんど。

自閉症の中には光線療法を受けたという子も多い。

 

しかし、

出産直後の母子分離がオキシトシンの出を悪くして、

愛着障害を起こすリスクもあるということから

カンガルーケアなども推奨されるようないなってきたが・・・

こういう母子分離は親にどうしようもないことだ。

 

 

 

私は4人の子どもを育てて思ったことがある。

親は普通に愛情を持って育てれば、

愛着障害になるんじゃないか!ということまで気を使う必要はない。

同じ環境であっても、子どもは受け止め方がそれぞれ違う

子どもには持って生まれた性格もあるのだと。

 

 

私は24歳で長男を産んだ。

一人っ子は考えられなかったので

2年後に次男を産んだが、その時双子であればいいなと思っていた。

お腹はかなり大きくなったが、4050gの男児1名。

 

2人というのは兄弟関係が難しいと思い,(自分が2人姉妹だったので)

次は双子を産みたいと思った。

4人であれば兄弟関係もバランスよくなるだろうと。

 

2年後,3度目の妊娠の時、長男、次男の時とは違う産婦人科に行った。

今度はは双子の予感があったので、医師に

「双子です。」と言ったら、

「わかるわけもない月齢の時に、何を馬鹿なこと」と

はなからバカにした顔で言われた。

 

すぐに、2人の医師のいる産婦人科に病院を変えた。

40年以上も前は、エコーなどで早々と胎児の診断ができる医療ではなかった。

 

一人の医師は双子かも、と言い、もう一人の医師は疑問視していた。

8か月の時、胎児に影響がないということでレントゲンを撮ってくれた。

2人が頭を並べていた。

 

逆子になるから出産は大変かな、と医師が話していたが

出産直前、正常位置になって2人は5分違いで生まれた。

胎盤が一つだったので一卵性だった。

 

ふたりとも3050gと3100gだった。

早産しないために、3か月病院で寝たきりだったので

その間、4才長男、2才次男は田舎の母のもとに預けた。

 

出産1か月は新生児2人の世話にかかりきったので

上2人はやっと、1カ月過ぎてから家に連れ戻しはした。

 

 

子育ては1人でやった。

今のようなイクメン時代ではないのであてにしなかった。

大変は大変だったが夢中だったので

あまり大変だったという記憶はない。

が、代わる代わる病気になる時期は必死だったかもしれない。

 

双子を産む前から、気になっていたのは、

団地で親しくしていた隣家に

次男と同い年の自閉症男児がいたことだ。

 

自閉症育ての手助けになるよう勉強しようと思っていた。

双子が8か月の時、N女子大学の児童学の通信教育を開始した。

5年間通信で単位を取った後、4年次に編入学して

1年間は目白まで通学した。

 

 

 

4人を育てる経験が児童学の参考になり、

レポート提出に大いに役立った。

 

 

双子は4人兄弟に一人ということで、ほとんど同じ格好はさせず、

違った服装をさせ、名前で呼び合わせた。

私は、子どもは人生の同伴者と思っていたので、

本人たちのやりたいということはやらせるようにした。

 

4人とも個性が違い過ぎて、それぞれの領分があり

あまり互いの領分に入り込むこともなく、

兄弟喧嘩して困った、という記憶はない。

 

嘘をつかない、言い訳しない、人の悪口は言わない、というような

基本的なことは守らせるようにした。

誰だったか、1人だけ私に向かって「バカ!」と行った子がいたが

その時だけはかなりきつく叱った。

その後は誰も言わなかった。

 

 

私も忙しかったし

 

子どもは人生の一時期の同伴者と思っていたので4人に

出来るだけ同じ接し方をしようとは心がけた。

同じ環境なのに、1人1人随分違う育ち方をするものだと思った。

 

長男は何事もマイペースで本をよく読み、干渉されるのを嫌った。

次男は、絵をよく描き工作や動植物に興味があった。

3男は兄達を見て勝手に劣等感をいだいた。

4男は気を使う性格だった。

私が双子を見間違えて、3男を叱ろうとして思い切り4男を叱り飛ばしても

彼は訂正せず黙っている性格だった。

 

同じ環境で育てても、子どもの持って生まれた性格で

環境の解釈は変わっていくのだ。

 

児童学のレポートを書きながら、そこは親がどうすることも出来ないと

愛着障害】の種をまいたかもしれないが・・・開き直った。

 

4男が、うちは普通だと思っていたけど、

よそに行ってみたらうちは普通じゃないんだね、と言ったことがあったから。

 

長くなったので、4人の子どもそれぞれの育ちについては次回にしよう。

 

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コロナ太り