自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

4人4様・その2

 気付かぬままに

   愛着障害の種を蒔いていたかも・・

 

前記事で長男と次男のことを書いた。

4人を1記事にまとめようと思ったが、やっぱり長くなりすぎた。

 

で、今記事は3男・4男。

キャプテン翼が流行っていた頃で、幼児期は

2人とも髪を肩まで伸ばしていたっけ。 

 

3男は直ぐ上の兄、次男が絵や工作が上手なのを見て育った。

しかし、自分も兄の真似をして上手に作ろう、と言う方向にはいかず

なぜか、劣等感。

 

 兄達と比較するようなことは一切言わなかったのに

勝手に劣等感を抱き、自分は上手に出来ないと

小学3年まで図工の時間は何もやらなかった。

 

4男のほうはは兄達は兄達!と言う感じで

劣等感を抱くような感じはなく、

双子で生まれたから、能力も半分っこしたのかな、と言っていた。

末っ子なのに気配りするタイプだった。

 

小学校の頃は二人ともよく似ていて、先生にも間違えられることがあった。

 

 何をやったか忘れてしまったが、

3男が私の逆鱗に触れることをやった!とわかった時

2人の部屋に行って、そこにいた1人にビンタを張ったことがあった。

 

しかし、見間違えて4男にビンタを張ってしまったのだった。

しかし4男は黙ってビンタを受け、何も言わなかった。

私の気が済めばいいと思っていたのかもしれない。

 

性格はかなり違っていて、

3男は忘れものをするが、4男は自分で確認。

運動会の前日、3男は何も準備をしていないが、

4男は鉢巻にアイロンをかけていたりする、というふうだった。

 

似ていたところもある。

3男も4男も同じ先生についてピアノをやっていたが

中学3年になる前に2人とも勝手に、ピアノをやめたと言ってきた。

相談しあったとは思えないが・・・。

いつも各自、自己決定後、親、事後承諾。

 

それなのに2人とも、中学3年の時

学校の音楽コンクールで、3男は課題曲のピアノを引き受けたと言い、

4男はアカペラの指揮をすることにした、と言ってきた。

そういう所は似ているのかもしれない。

 

 

3男は勝手に自分を兄弟と比較して、劣等感をもち

グレたくなったのか、不良にあこがれたのか

高校の時、バイトをしたり、親の知らない仲間との付き合いがあった。

しかし、外泊したいと連絡して来た時は、断固許さず

連れ戻しに行ったことが2度ほどあった。

 

皆、我が道をゆく4人のなかでは

3男が一番普通っぽく、情があったかもしれない。

 

私が学校での仕事をやめこばとを開設した翌年

ただ一人の姉がなくなった。(私は二人姉妹)

姉がなくなる直前、皆で病院に見舞いに行ったが、

誰も(私も、姉の実の息子でさえも、)横たわる姉に触ろうとしなかったのに、

3男だけが、意識もはっきりしない姉の手をにぎって声をかけていた。

 

 

3男と4男は兄達に比べて偏差値は低かったが

そのことでどうの、こうのとか言わなかったし、

無理に頑張れとも言わなかった。

4人育てていると、早起きが良くて、寝坊は良くないだとか

記帳面が良くて、ルーズなのは悪いとか、

比較して甲乙をつけることはなくなってしまう。

皆それぞれ。

 

 

4男は親に負担をかけたくないと思ったのか、現役で私立大学にはいった。

3男は家を出て浪人したいと言ってきた。

兄弟が皆、家を出たという理由で。

18になったら家を出るもの(親とは一緒にいたくない)と思っていたようだ。

 

次男、3男、4男に仕送りが必要になったので、家を売った。

家は子育ての役目を終了した。

 

ちょうど良かった。

その頃、私も「ぼろい海の家にこばと」を開設し、

その一年後に移転したこともあって、

通うのに楽な、近くの賃貸に引っ越した。

 

3男は2浪したあと、やりたいことが見つかったと言って私大に入学した。

劣等感をバネに努力する人だった。

大学院にも行き、臨床心理士の資格も取ったのだから

それで十分じゃないかと言ったが、さらに

東北の某国立大学の大学院に行った。

博士号など別にいらないんじゃないか、と言ったが

粘りに粘って、ついに取得した。

彼はメンタルは弱いが努力家だ。4人の中では一番努力する。

結婚もし、今は都内の某私立大でなんかを教えているそうだ。

また別の大学にも行って、勉強するとか言っていた。

 

 

長男・次男・4男は世間的な欲がない。

4男は競争や努力や出世などは求めないタイプだ。

争うことが嫌い。

大学卒業後は公務員になりたかったようだが、すべってしまった。

すべってよかった。

組織の中ではうまくやれない、

同調圧力にがてタイプだから。

 

就職浪人中こばとを手伝ってくれたこともあったが、

大学では障がい児とは無縁の学科を専攻していたので

新たな勉強は御免こうむる、で

地域の不動産屋に就職してしまった。

自分ペースでのんびりゆっくりやっているにちがいない。

 

個性の強い家族の中で、末っ子なのに一番気を使っていただろう。

中学だったか、高校の時だったか

友人の家におじゃまして帰ってきた時

普通だと思ってたけど、うちは普通じゃないんだね、

と言ったことがあった。

 

4人の息子は学生の間、こばとの夏合宿は頼めば

都合がつく限り、参加し手伝ってくれた。

子ども達には好かれたし、あたりまえに自閉の子たちと接していた。

4人とも優しい性格ではあった。

 

兄弟同士はプライベートな付き合いはしないし、

話もしないのでお互いの事はほとんど知らない。

メールアドレスのみ。

何年に一度か、顔をあわせる。

 

 

家族はみんなバラバラ、家族密度は低い。

家庭、家族に憧れ、重きを置かないのは

私が蒔いた愛着障害の種が芽を出したせいかもしれない。

 

連鎖はするもの、と実感!!!

 

 

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散歩より自転車がいい。