自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

無心の夢が花開く

自閉症の世界の夢は広がる。

 

ぼっち元日の楽しみはなんといっても

こばとに配達される年賀状!!

 

療育に関わった子(大人)は今どうしているか?

仕事は続いているか?

元気でいるか?

人生楽しんでいるか?

 

 

 今年の元旦はサプライズがあった!

年賀状に交じってレターパックが届いたのだ。

元日にレターパックだなんて・・・・!

中身は何だろう??  ん?本?

差し出し人の名前を見て

一っ跳びに療育時代の記憶の引き出しにワープした。

 

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住所氏名は下書きを書いてもらったようだ。

 

ひとまず年賀状を脇に置き、いそいそとレターパック開封する。

中には冊子と手書きの年賀状が入っていた。

 

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全面手描きだなんて!

冊子は彼の画集だった!!!

ぇーっ!すごーい!!!  やったね!!!

 

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面影は子どもの頃と変わらないけど、

 

子どもの頃と面影は変わらないが、芸術家らしい雰囲気。

ページをめくると彼の世界が現れた!!!

 

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点描で描かれた彼の世界

裏表紙には、彼の作風を紹介する小説家氏の文が載っていた。

 

要約すると、

 

人間社会は時空の異なる文化から出来ている、

一方、自然界は人間を含む多種多様な生物が存在する。

彼の作品は人間と自然界を統合した世界観で構成される曼荼羅だ。

 

そのような事が書いてあった。

 

 

彼がこばとに来たのは小学校前の幼児期だった。

軽・中度の自閉症。こだわりや多動は少なかった。

喋り方は幼かったが簡単な会話はやりとりで来た。

その頃から絵を描くのは好きだった。

 

心配な部分も無いわけではなかったが、ご両親は彼を普通級に入学させた。

友だちとの関わりはうまく出来ていなかったが、

多動ではなかったので、大きな問題はなく進級した。

こばとでも学習は学校の学習内容に近づけたものにした。

 

驚いたのは、たぶん3年生頃だったと思うが、

急に性格が変わって、明るい3枚目キャラになったことだった。

 

そして、高学年の時、家族でエジプトに行った。

お父さんがJICAか何かに勤めていて、任期の終わりに

家族、お母さんとお兄さんと彼を現地に呼んだのだ。

 

帰国後のお母さんの話では、

お母さんとお兄さんは緊張して、というか異国という環境に萎縮して

なかなか現地の人になじめなかったが

彼は物おじせず、恥ずかしがらずに話しかけ、

エジプト人の家族となかよしになり、とてもかわいがられたそうだ。

 

お土産にワインとチーズか何かもらった。

一本のワイン?!どうやってスタッフ7人で分けたらいいんだろう?

と悩んだあげく百均でミニカップを買って来て、

仕事終わりにささやかな酒宴をやった、ことを思い出した。

 

彼は中学校も普通級に進み、部活は美術部を選んだ。

顧問の先生が彼の支えになった、とお母さんは言っていた。

 

その後,私立高校の美術工芸科に進んだ。

 

風の便りにちょっと名前が聞こえる程度で 

しばらく音信が途絶えていたが、

作品集を出版するほど創作活動に励んで、

自分の世界を広げていたんだ。

すごいなぁ~。

 

邪念や迷いなんかなく、

無心で自分の夢を追い続けて、

花開いているんだね。

 

自閉症の人達は独特の世界観を絵で表す人が多い。

アトリエ・カフェの息子君もそうだが、

こばとが関わった自閉症者の中に個展を開いている人が

何人かいる。やりたいことをやっている。

もちろん、周りの支えもあってのことだと思うが。

 

彼らの方が豊かで自分らしい世界を生きているような気がする。

 

 

既定の価値観を押し付けず、枠にはめず

彼らの持てる能力、才能を生かしてやれば

自閉症の世界は違った世界になっていくような気がする。

 

 

 ところで、

2年前、2019年の1月12日に

自閉症の世界」のブログをはじめたが、

2年間で投稿記事は193になった。

 

 療育時代の記憶の引き出しにはまだいろんなものが詰まっているが

2年を一区切りにして、

今年は形を変えて「自閉症の世界」関わって行こうと思う。

考え中・・・。 

 

 

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寒くて足が進まない!