自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

悲しいいたずら

 昔、一般的には字面のせいで自閉症

自分の殻に閉じこもって人と関わりたがらない、孤独を好む、みたいに誤解されたイメージを持たれた時期もありました。

 脳科学が発達する前は、原因だってコペルニクス的転換を経てるくらいだから誤解もやむなし、というところですが・・・

 

 確かに、言葉がでない、呼んでも振り向かない、自分から人と関わろうしない。

模倣もしないし他人のことは無関心そう。孤独を好む感じ。

 彼らの雰囲気にはそう思われても仕方がない面もあります。

 

 だからと言って心の髄まで孤独でいたい、と思っている訳ではないのです。

 本当はかまって欲しい。自分のことを見て欲しいと望んでいるのです。

 

 自分に気づいてもらう手段、それはいたずら。

 おとなしく良い子にしていたら、静かにしてくれて助かる、とばかり放っておかれます。いたずらもやって欲しくないいたずらをすれば、必ず想う相手が振り向いてくれる。

 

「あッ! こらァーー。だめェーーー。」

 

 盛大に振り向いてくれることがうれしい。

自閉症は相手の表情が読みにくいので、怒っている顔を見ていけないことをした、とは思わず楽しそうに逃げたりします。追いかけてくれることを期待して。

 

 振り向いてもらうには良い子にしていてはだめだ。

いたずらをすれば怒り顔(笑い顔にも見える)でかまってくれる。

 

 こうして悪循環がはじまります。

 それにしても、彼らもやってはいけないことを、よくもまァ見つけるものだ。怒られる急所をよく知っている。

いつの間にか、話しかけられる言葉といえば指示語か叱責の「こらァー、だめェー。」

 

 人との関わり合いが、叱責を引き出すだけの<いたずら>では悲しすぎる。でもいたずらも困る。かまってもらいたい彼らの気持ちも満たしてあげたい。

 

んーーーーーーーーーん、自己肯定感を持てない二次障がいを起こさないために

 

 幼児期のいたずらに対しては存在を否定するような言葉は使わず、無言でいたずらをやめさせ、その後好ましい行動をさせて存在を肯定する言葉をかけてあげたいもの。

  

 わざとコップの水をこぼして、怒るかどうかチラ見するようであれば、黙って雑巾で水を拭き取らせて,「ちゃんと拭けてお利口だったね。」とか・・・

 

 

自閉症の世界