自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

ボディランゲージ

 現在ただ一人療育している年長の男の子、こばとに来た当初は目は空を泳ぎ、声掛けしても意識飛ばしをするので読み取れるのは逃げのサインのみ。

 反応がないから虚しい、なんて言っていたら療育にはなりません。

 そういう時期を通り越して、今は呼べば着席して学習に向かう姿勢をとるようになりました。すごい成長!

 でも苦手な課題、難しそうな課題の時は途端に目がかゆくなったり、鼻をほじくりたくなったり、あくびが出たりするのです。かって療育していた多くの子に同様の仕草が見られましたが。分かり易いっちゃ分かり易いサイン、ボディランゲージではあります。

 彼は結構プライドが高いんです。出来ない自分を見せたくない、何とかごまかしたいというところなのです。いつまでも鼻ほじほじをやっている時は、彼の得意な課題、簡単な課題、プリントをさっと出してやります。鼻ほじはすぐに止まります。

 こういうボディランゲージはかわいいもんですが、中には理解不能なものもありました。昔、夏合宿をやっていた頃、小学高学年を40人ほど連れて、2泊三日の合宿に行った時のことです。

 合宿では恒例のプログラム、キャンプファイアもありました。火の神は私、火の子4人は6年生の中から選ぶのが習わしになっていました。その年も昼のミーティングの時自閉症状は重めだけど毎年合宿に参加してきた男子を選出。

しかし、男子は選出された途端に大声を出してパニック状態に。別室で気を落ち着かせたものの、火の子は松明を持つのでこの不安定状態はまずい、ということになり別の男子を代わりに選びました。

 ところがです、日暮れ前に火の子の衣装合わせと、リハーサルの招集をかけた時、なんとその男子もすっきりした顔で集まってきたのです。なんだ、本当は火の子をやりたかったんだ、ただ選ばれた瞬間動揺し、緊張のあまりパニックになったんだ、と判明。

「ごめんね。別の子選んじゃったの。」と彼に謝り、待機グループに戻ってもらいました。それにしても、、もっと分かり易いサイン、ボディランゲージをやってくれたら良かったのに。

 

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