自閉症療育では行動のパターンを教え込んで、やがてそのパターン壊しをしなければならないジレンマについて書きましたが、さらなる成長のためには必要な事。
しかし、そのパターンは時に子どもの頑固な【思い込み】にまで凝り固まってちょっとやそっとでは壊せない 。
壊そうとすると激しバトルを引き起こすことはしばしばあります。
ちょっとパターンを変えようとしただけなのに、
のどちんこ丸出しであらん限りの大声で叫ぶ、寝転ぶ、泣く、自傷する・・・
子どもはパターン壊しにはあらん限りの力で抵抗し、大人は忍耐の権化となって無言で戦う(この表現がぴったし)ことになります。
こうなると何を言ってもだめなのです。まわりに聞こえる心配のない時は無視を決め込んで、ひたすらパニックをが鎮まるで待つこともをできますが、人目がある時はそうもいきません。
虐待と勘違いされて、好奇・非難の視線にさらされてしまう恐れ大。
小学校中学年の2泊3日の夏合宿でも超難度のパターン壊しがありましねぇ。
テレパシーでも取り上げた例の男子、森の中のユースホステルの夏合宿は幼児期から4回も参加しているので、お泊りは気持ちにゆとりがあり慣れたものでした。
その年の夏合宿は活動内容をレベルアップさせるため、ユースホステルの先の駅にある少年自然の家に行くことにしました。小学校3年以上の30数名の集団。
お母さんも喜び、合宿で利用する乗り物や活動内容をカードに起こし、出発まえからインップットを繰り返しました。切り替えがよくなるよう。
ところが当日、前年までのユースホステル夏合宿で降りていた駅を通過とたん、彼のパニックが大爆発しました。
お母さんの作ったカードのは何の足しにもなりません。
泣き喚きの激しい抵抗が他の子達に不安を与えてはまずいと思い、彼を集団から離はなしてほとんど私と二人で行動しました。
寝転んだり泣いたりの汗だくのパニックはなかなか収まらず、平静を装って活動の指揮をし集団について歩く汗だくの私も疲弊しました。
夜もグループ部屋には入れず、私と二人で引率者用部屋で切れ切れの眠りをとりました。
落ち着きを取り戻したのは翌日になってから。
合宿はユースホステルのある駅で降りるはず、という【彼の思い込み】の牙城はとうとう攻略しましたが、しかし長かったぁ。
この合宿には帰った後の続編があるのです。次回をお楽しみに。