自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

療育のヒントは何から学んだか?

先週はコロナ自粛の最中だというのに、

先週は事務室犬シェリーにいい加減心配させられた!!!

去年のぎっくり腰に続いて2度目。

手のかかる犬だ。

 

しかし、役に立つこともある。 

 

「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」(ロバート・フルガム)

ではなく、自閉症療育のヒントは犬から学んだ。(私)

 

私は犬派 。

 

ちょっと犬談義を・・・

子どもの頃からいつも周りに犬がいた。

4人の息子を育てるため、

少し広めの庭のある一軒家に移り住んだ時も

すぐに、犬を貰ってくれという話が来た。

 

  スタンダードのダックスフント、スムース、黒、オス。

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ダイスケ

 

名前は大介(ダイスケ)

其の頃、学校の講師の仕事をやって経験を積んだ後に

仕事をやめて、こばとを開設していた。

 

私は忙しすぎて、あまりダイスケの面倒見てやれず可哀そうなことをしてしまった。。

 

ダイスケが死んで、息子達も皆、家を出たので家は売り払った。

息子(次男・3男・4男)3人の大学が重なり、

学費と仕送りにあてるためだ。

 

賃貸に移り住んだ。

 

ダイスケのなじみのペットショップが、

ミニチュア・ダックスフント・スムース・レッド、メス(血統付きではない)が

ショップに入ると同時に、店主は予約していたがの如くに勧めてきた。

 

犬が飼えるマンションに移って、(メグミ)名付けた。

 

毎日メグミを自転車に乗せてこばとに通った。平成8年頃。

通ってくる子ども達やお客にはあまり懐かなかった。

夏合宿のたびにペットショップにお泊りさせられるをすごく嫌がった。

可哀そうだった。

 

忘れもしないが、

2009年の12月27日、私は年末事務所掃除のための

買い物をした帰り、自転車で転ぶという事故を起こした。

 

ボキッと感じたが、そのまま壊れた自転車を引いてこばとまで帰り、

タクシーに乗って休日救急診療所に行った。

 

鎖骨が見事に折れていた。

そのため自転車に乗ることが出来なくなり、

メグミも歩かせてこばとに通うことになった。

 

それまで自転車通勤だったのに、

歩いたこともない距離を毎日歩かせたためだろうか、メグミ

4か月後、尿がオレンジいろになり肝臓肥大であっけなく死んでしまった。

2010年、4月25日。

 

2011年東日本大災害があった。

こばとは建物の被害がなかったので、通常通りの療育は続けた。

が、夏の猛暑がひどくなって、真夏に合宿をできる気候ではなくなった。

 

2013年、私も65を過ぎた、ということでこばとを縮小し、

20数人の、他の療育所には受け入れてもらえそうにない重度の子ども達と

2人のスタッフを連れて、線路の反対側、真向いの3階建のビルに移転。

 

終活もかねてだが。

 

もう、犬は飼うのは止めよう思っていた。

それなのに、2013年

次男がわざわざブリーダーから取り寄せ、めぐみの後釜を連れて来た。

ゲージ。血統書付き。

飼わないわけにはいかない。

 

その頃、尾崎豊の「復活」映画にはまっていたので、シェリと名前を付けた。

 

 

・・・療育のヒントのはずだったのに、犬談義が長くなってしまった。

 

メグミシェリは幼犬のときからこばとに連れて通い、

一日中、時間を共に過ごしたので、犬達の行動をつぶさに観察することが出来た。

ついつい、自閉症の子ども達と比較してしまった。よく似た行動をとったから。

 

しつけの基本は同じである。

 

トイレのしつけ

犬たちはうまくペットシートで成功すると、

自分の臭いを記憶して同じ場所でするようになるまであまり日時を要しない。

障がい児、自閉症児は紙おむつに慣れてしまうためか、トイレを嫌がる。

トイレトレーニングを完了するまで時間がかかり、忍耐も必要。

自閉症児の中には自分の股間に手を入れて臭いを嗅ぐ子がいるが

トイレとは結びつかない。

 

病院、爪切り、シャンプー、口を開けさせる練習など幼犬、幼児の時から

慣らさないと、大きくなってからでは手こずる。

帽子や靴下を穿いていられず、すぐ取ってしまう自閉症児も多い。

犬もお洋服を着せたければ、幼犬の時に慣らさないと着ていられない。

体に絆創膏などの異物が付くのはどちらも我慢できないず

剥がしてしまう。

犬は傷口をなめる。自閉症児は平気で触ったり掻いたりしてしまう。

 

犬の場合はエリザベスカラーで防止できるが・・・。

 

パターン化しやすい。

一度怖い思いをしたことはしっかり覚えている。

散歩のルート、通ったことのある道は安全だと記憶し、同じ道を通りたがる。

メリットもよく覚え、一度おやつやパンを買った店にはまた入りたがる。

犬もメリットはしっかりおぼえる。

腹時計のはずなのに、ほぼ同時刻の同じような行動には驚かされるが

野生の動物は皆そうなのかもしれない。

 

誰かのの関心、注意を引きたい時はいたずらする。

親の注意を引きたい時は親の目を意識しながら悪さをする。

犬もスタッフの注意を引きたい時は、わざと事務室内のゴミかごをひっくり返す。

おかげで、こばとの事務室ではゴミかごは机の上、

というのが暗黙の了解だった。

 

手がかからなくなった自閉症児の家庭では子どもの相手になるように

犬を飼い始めるお家も多くあったが、

犬を飼い始めると、子どもの小さい時によく似てるという話を聞かされた。

 

 

 

決定的に違うのは

犬は人間に愛着する。

飼い主をじっと見つめ、飼い主の意図を探ろうとする。

なので、飼い主が指差しをすると、共同注視をする。

ハンドサインや指示語は速やかに覚える。

音に敏感なのはおなじだが、

自分の名前を聞き分けて、反応するのは犬の方がは早いかもしれない。

言葉はなくても犬は愛着するので、飼い主は犬の気持ちを探ろうとする。

犬と会話する。

犬はしっぽの動き、体の動きで応える。

全身で喜びをあらわす。

飼い主と気持ちを共有する。

 

自閉症児の幼児期の愛着の有無、そこが犬と大きく違う。

愛着がなくとも世話をしてくれる人は

メリットのある存在として認識はするが・・・。 

 

自閉症児は欠落した愛着がなかなか育ちにくい、回復しにくい。

 

犬から学んだ療育のヒントは

自閉症育ての出発点は愛着育てから!!

人に愛着させることがまず、鍵になると。

 

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ミニチュアダックスフントシェリー、太め