自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

支援教育教材の変遷

勉強は自閉症児を変える。

必要なのは彼らに合う教材。

 

 

コロナウィルスが感染拡大し始め、国中が騒ぎ出した頃、

 

昔からお世話になっているウェブデザイナー氏から電話があった。

紹介したい人がいるが、その人のアポ電話を受けてもらえるかと言う内容。

紹介したい人というのは、

 

初めて聞く言葉だが、

ICT(Iformation&Communication Technology)を活用した

教育・学習分野に特化したシステム開発技術、

コンテンツ開発技術を教育現場に提供していくという

最先端分野の女性社長さん。昭和の人間とは違い過ぎるーーーぅ。

 

OKしたが、感染はさらに拡大しつつあったので、

アポ電のはずだったがが、女性社長さんの電話は

外出自粛するので、訪問はコロナ収束後に延期させてくれというものだった。

 

ウェブデザイナー氏にはこばとが初めてホームページを

作ってもらった時からお世話になっている。

平成7年。

思い出すなぁ・・・・NECノートパソコンLAVIE

(その当時、25万円ぐらいしたと思う。)

 

こばとの療育では、教材は子どもに合わせてほぼ手作り。

手づくり教材が大量になったので、

こばとに通ってこれない子どものために市販できる形にしようと思った。

分教室や分校は作る気がなかった。

全部の子どもを自分の手で療育したかったという理由で。

 

平成8年 ステップアップシリーズ全10冊、カード教材発売

 

簡単ではなかった。

コネも紹介もなかったので、大手の教材会社や、出版社を突撃訪問した。

図々しくも、ステップアップシリーズを形にしてもらえないか、

頼んで回ったが、けんもほろろだった。

やれば五千万はかかると言われた。

 

それなら自分で作ると、

地元のデジタル原稿を作ってくれる会社と印刷屋を探し、

何とかドリル形式の冊子にして販売にこぎつけた。

HPや検索サイトを使ったり、障がい児教育雑誌に広告をだしたりした。

 

印刷以外、全部自分1人でやった。

子供を療育しながらよくやれたものだ、と我ながら思う。若かったからかな?

 

子供の療育しながら手作り教材はたまりにたまっていったので、

 

平成11年 ジャンプアップシリーズ全10冊、かんたん工作アイデア集50 発売

平成14年 レベルアップシリーズ全10冊 発売

 

子ども達もだんだん学年が上がっていったり、

軽度の子ども達も増えっていったので

ソウシャルスキルトレーニングを実践したり、

平成4年から中学生教室も開いていたので

そこで使った手作り教材もたまりにたまった。

 

平成22年 中学生のための国語・数学・自然理科・生活社会・ローマ字英語 発売

(後に、支援学校高等部も使うことを考え、中高生のための・・と改題)

 

平成26年 ソーシャルスキルレーニング用ワークシート(上)(下)発売

全部、療育・実践授業で使ったものだから自信作

 

自信過剰が失敗につながった話。

 

日本の障がい児達の認知発達、支援教育に役立つのだから、

きっと世界の障がい児の認知発達、教育にも役立つはず!!!

 

根拠のない確信をいだいた私は

英語版でステップアップシリーズを作ろうと思いたった。

 

思い立つとすぐ実行。

 

相方スタッフと一緒に、英語を習いに行った。

カナダ人と外国生活していた奥さんが開いている英語教室だった。

教材内容を打ち合わせつつ、教材の翻訳もしてもらった。

 

すごい費用をかけたが、失敗だった。

大赤字。

 

東南アジア向けにペイパルで売ろうと思ったが

発展途上国は貧困で、障害者教育にお金をかけるところまでいっていないし、

貨幣価値が全然違った。

一冊分の値段で彼の国では、家族が一日生活出来てしまうのだ。

 

仕方がないので、海外青年協力隊などや

彼の国に行く人に数セットで寄付するだけで在庫のまま。

 

もっと海外事情をリサーチすべきだった。

いい勉強になった。

 

 

教材の海外進出は挫折したが

日本国内の障がい児教育界ではだんだん活用されるようになっていった。

 

どんなきっかけだったかは思い出せないが、

平成19年度からこばとの教材が、

旧109条一般図書図書(現在は9条図書)かとして文科省に採択され

教科書として養護学校特殊学級(現在の支援学校、支援学級)で

使われることになった。

 

その年は300冊弱。

 その翌年は500冊強。

 

年々増えていき、教材に種類数も40種類になったので、

平成30年に全面改訂。

改訂が全支援学校に周知しなかったためか、3000冊強に減ってしまったが

その後回復軌道。

 

令和2年度は5000冊を超えた。

来年度はもっと増えるだろう、と見込んでいる。

 

ICTを活用したデジタルの教育システム開発の女性社長さんのアポ電の話から

逸れて、長々とこばと教材の変遷の話になってしまった。

 

コロナ自粛が解除されて間もなく、アポ電があった。

長くなったので面談の事は次回書くことにしよう。

 

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ペットボトルの中にフードが・・