養育は発語だけが目的ではない。
発語の後に本質は出てくる。
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女児が2歳8か月の時、お母さんから療育相談のメールが来た。
言葉が出ない!という主訴から始まって、
同年齢に比べて体格は1.5倍だが、運動能力全体が1.5才分低い。
言葉が出ないだけでなく情緒面の遅れも目立つ。
相談は長い長い、事細かな内容だった。
お母さんの娘の成長に対する、心配・不安は大きかった。
面談後の音沙汰なしの期間、とコロナ自粛期間を経て
5月から週1こばとに通うという本格的な療育が始まった。
あれから6か月。
始めの頃の女児は離席もせず、指示によく従い
言葉を発しないためか表情に乏しく、緊張しているようにも見えた。
しかし、どの課題にも一生懸命に取り組む。
(お母さんの話では、通園施設の集団の中では
周りに気が散って自分の事に集中しない。
1対1の対面だと違うんですね、と言っていた。)
絵単語カードのマッチングから始め
出来るだけ、褒めて楽しげにやるようにしていた。
音声模倣、2音節模倣と進め、言葉も出るようになった。
はさみも介助で練習するうち自分で切り進めるようになった。
目ははさみに吸いつくかの様に、それはそれは集中する。
体育的療育は相方スタッフと二人がかり
縄跳びのピョンピョン跳びや自転車の足こぎ
歩道橋の階段を使っての上り下りの練習
体の筋肉の使い方が分かり、女児の動作には自信がでてきた。
発語が出始めると、女児の表情筋はよく動くようになり
口も大きく開けるようになった。
固まっていたような舌もよく動いてきた。
女児の発語は療育に来るたびに増えている。
お家でも3語文を耳にすることも増えてきたようだ。
以前は、週3回通っている療育施設で
友だちにおもちゃを取られても黙って固まっている、と
お母さんは嘆いていたが今は取り返すそうだ。
こばとでもシェリーが女児のカバンに触ったり何かを取ろうとすると
どや顔で「わんわん、ダメー!!!」と上から目線で大きい声で言う。
療育前は、発声も体も固まり気味だった女児、
6か月たった今。
発音は不明瞭なものもあるが、
喋りたい、話しかけたいという気持ちが溢れている。
表情も豊かになった、顔筋が良く動く。
喉ちんこが見えるほど口を大きくあける。
大声で笑う。大声を出す。
興味と好奇心も芽を出してきた。
「何?」と聞く。
体の動かし方に自信と度胸が出てきたが、
同時に多動もでてきた。
歩きや走るのも速くなって、追いかけるのが大変になってきた。
お母さんは「逃げ足が速くて!」と顔を曇らせる。
模倣や手遊びも出来るようになり、
以前は見ているだけだった友達の真似をするようになってきた。
お母さんの話では、女児が友達に「待ってぇー。」と声かけしたのに
待ってくれた友だちの横を素通りして・・・と苦笑していた。
几帳面と注意力散漫が混在。
これが女児の本質だったのだ。ADHD傾向。
これからが療育の本番!
言える単語も増えたが、読める文字も増えてきた。
数唱も言えるようになり、数もかぞえられるようになってきた。
学習は進めていけるだろう。
しかし、多動や注意力欠陥、先走りなど不適切行動を
自尊感情を低下させないように修正していくかが課題だ。
すでに、あんなに真面目、真剣に取り組んでいた課題なのに
やっている途中で
今は慣れた事務室犬シェリーを呼んだり、
挑発して課題に対する注意力散漫になることも出てきているのだから。
だんだんはっきりしてきたADHD系女児
育て方、注意の仕方を不適切行動がでる都度、お母さんと話している。
お母さんも真剣な面持ちで聞いている。