自閉症の世界

~自閉症の世界を知って、障がい児の子育てに役立てよう~

祖母の役割

・・・今年もあと残りわずか・・・

 

今年の初めはアトリエ・カフェのオープンの話で喜んでいたっけ。

かってこばとに通った、画家でもある自閉症青年のお母さんの長年の夢!

 

 

その後こんなコロナの年になろうとは・・・

・・想像もしなかった!

 

kobatokoba-kosodate.hatenablog.com

 

 アトリエ・カフェは週3日、カフェを営業。

残りの曜日はレンタルスペースというスタイルでスタートした。

先鞭をつけようかと、こばとも週1レンタルして

療育相談だけ!をすることにしたつもりだったが・・・。

 

相談だけ!というわけにはいかず、

緊急事態解除には療育も開始となってしまった。

幼児5名、小学生2名。

幼児机が必要なのでレンタルはやめて

カフェからこばとのパソコン教室兼事務室へ移動した。

 

つくづく、私も断れない性分だなぁ~。

(レンタルスペースも緊急事態解除は地域のつながりで借りる人が増えてきた。)

 

 

療育相談といえば、過去には

祖母自身が孫の相談に来るというケースも何件かあった。

其の頃、相談は無料だった。

 

だいぶ昔のことではあるが、

祖母さんが自閉症の男のについて相談に来たことがあった。

県内ではあったが、こばとに近い地域でもなかった所からわざわざ・・・。

小柄で苦悩の色濃い表情だったことを覚えている。

特に孫の便失禁について悩んでいた。

 

私はいろいろ話を聞いたうえで、

自閉症育ての主体者であるお母さんと、直接話をしない事には

療育には繋がらないことを伝えた。

祖母と娘家族は近くに住んでいたが同居はしていなかった。

 

祖母さんは自分の若い頃は商売が忙しかったので

娘(自閉症男児のお母さん)を寄宿舎に入れていたと、言った。

そのことに、随分自責の念を感じているらしかった。

 

しばらくすると、祖母さんは娘(自閉症男児の実母)を伴ってこばとに来た。

男児が小学校の特学(今の支援学級)に行っている時間帯だった。

 

祖母さんは孫について気になることをいろいろ聞いてきたが、

実母である娘の方は無理やり連れてこられた、という不本意オーラが出ていた。

学校の先生に任せているから、と特に相談らしいことは口にしなかった。

療育につながる会話はなかった。

 

 

その後も祖母さんが一人で相談に来た。

(当事者ではない祖母では、公的機関で相談できなかったのだろう。)

自閉症の赤ちゃん返りがひどいというのだ。

おもらしをするほどの退行をおこしているという。

よくよく話を聞くと、はショートスティをさせられた後そうなった、と言った。

 

自閉症こばとでやっているような合宿の経験もなく、

スティの施設に信頼する人、安心できる人がいるわけでもなく

おとまりの理解もないうちに、ショートスティをさせられようだ。

さぞや不安だったことだあろう。

退行はありうることだ。

 冷淡な印象のあった 実母の方は、祖母さんより深刻に考えていない話だった。

 

 

御祖母さんがどんなに悩んでいようと、

自閉症育てをするお母さんにこそ、療育の意義を理解し、

やる気になってもらわない事にはこばとはどうすることも出来ない。

3回の相談のあと連絡は無くなった。

 

 

療育を受けたいと10人以上も順番待ちしていた当時、

療育に繋がらない無料相談に時間をかけていたのでは

相談時間が無駄になってしまうと思い、周りのスタッフにも言われ

療育を開始することを前提とすることで無料面談をすることにした。

 

療育を前提とした後も 祖母さんが相談してくるケースがあった。

 

 

若作りの明るい感じのおばあさんがを連れて相談に来た。

 同年齢の他の子との差異を感じるので、の様子を見てもらいたいと言った。

幼稚園の男児は言葉も出ていて、軽度の発達障がいだった。

 

初期面談の時にやる一通りのことをやり、

男児の療育の見通しについて話をした。

しかし、おばあさんは嫁(男児の母親)に

療育を受けるということは了解を得てない、と言った。

 

 

男児の育児をしている母親と話をしない事には先に進めませんね、

と私は話した。

御祖母さんは気になることをすべて聞きたいようで、時間延長になった。

 

祖母の立場で、心配ごとを聞いてもらいたいだけで

療育を受けるつもりはないのだな、と思った。

 

しかし、しばらくたってから、

療育を受けたいから男児の母親も一緒に行く、と電話があった。

母親も一緒というので、面談の日時を設定した。

 

若作りで愛想の良さそうなおばあさんとは反対に

面談に来た実母は地味で、あまり笑顔のない人だった。

 

 

前回同様、幼児教室スタッフと一緒に

男児にいろいろ課題をやらせ、療育の方向をアドバイスした。

 実母は祖母ほど熱心に話を聞くわけでなく

しかたなく、というか他人事のような風情であった。

 

2回目も相談に時間を取ったのだが、

実母は療育を受けることは保留すると言って帰った。

 

ところが3回目の療育希望の電話があった。

面談もしているので、療育を受ける気になったのかと思った。

祖母が一人で来た。

男児の心配な側面について話をした。

前2回の面談の内容の繰り返しになった。

 

さすがにお帰りになる時、

こばとは公的機関ではなく、

療育を受けると決めた方に、無料で面談している所であって、

心配だからといつでも相談に来てもいい、

と言う所ではないのですよ、と話した。

その後はさすがに来なくなった。

 

 

 

実母より祖母のほうがの定型との差異を察知して、

悩んでしまうのは育児経験があるためでもあるだろう。

 同居、または頻繁に会える祖父母の目はありがたい。

 

親だからこそバイアスがかかってしまうこともある。

直視したくない、我が子に限って、個性なんだと思いたい・・・

 

 

そこを

祖父母さんの後押しで療育を受けに来た子どもも何人もいる。

 

 

 

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