言葉だけが表現ではない。
身体が表わすもの、出すものはすべて思いの表れ,と、私は思っている。
昨日、こばとから至近距離に位置するアトリエカフェの
オーナーから電話がかかってきた。「ちょっと、来てもらえますか？」
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聞けば吉祥寺の劇団の方が２人来ている。
自閉症者をシナリオにした演劇をするためカフェオーナーの
自閉症画家の息子君に、劇の参考のため話を聞きに来た、というのだが
息子君はそんなに話すことはないので、
私に代わりに話して欲しいということだった。
と言う訳でカフェに顔を出すと
マスクごしにも若い、美しい顔の脚本家と、
主演の青年(軽度自閉症役)が座っていました。
軽く自己紹介してから、
劇中に出て来る自閉症青年役や自閉症子ども役の描き方を聞きました。
私は３５歳から600人近い自閉症、発達障がい、知的障がいの子ども達に
付き合ってきましたが、1人1人の特性や特徴は千差万別。
仕草や特性を事細かに描写することは出来ないので
彼らの出すサインを話した方が良いかな、と思いました。。
五体満足、外見上問題なく生まれれば、乳児期は育児の大変さはあっても
言葉がでていないことなど誰も気にも留めません。
赤ん坊時代は言葉が出ていなくても、全身で表す動き、要求の表現を読み取って
周りの大人は赤ん坊の望んでいることをかなえてやります。
しかし、言葉、発語がクローズアップするのは２歳前後。
乳児から幼児への変わり目の頃に、言葉がでてこないとアレッと不安を感じます。
しかも、自閉の症状が出てきた時はなおさら
共同注視がない、アイコンタクトがない、笑み返しがない・・・
身体には異変が見つからなくとも、目に見えない脳内の機能には異変があります。
機能異変は見えないが行動、動きには異変が出てくる。
理解しがたい女児の動きを見て、「なにこれ？！」と言ってしまった母親もいました。
確かに幼児期の自閉症児の出す行動のサインは
強烈で執拗で解読が難しい事が多い。
彼らにとっては理由のあること、分かって欲しいで必死！なのです。
でも、既成の概念にあてはまらないと、
つい、抑え込み、力任せの引きずり、叱責、無視などしがち。
親にとって、彼らの出すサインを読み解くには
観察力、洞察力、愛情、忍耐が必要です。大変です。
親のメンタルヘルスだって大事！です。
なので、幼児期は経験豊富な他人の助言が欠かせません。
先入観、決めつけ、思い込みは意外と身近にいる大人たち達にもあり、
見た目で可能性に限界をもうけてしまうことも多いのです。
彼らは言葉がないから何も分かってない。
いや、分かっていないようでよくわかっている、言葉を理解している
大人が思うより感じているし、傷ついていたりする。
平然、または不適切なリアクションをしても
心の中は違っていたりするのです。
自分がいるのは迷惑ですか？
声にならない声が体からにじみでる。
自閉症というパターンにあてはめ、自閉症とはこういいう行動とると決めつけ
私は劇団の人に言いました。
自閉症だからと言って、自閉症という型に当てはめないでほしい。
すると、劇中には幼児期から良く療育された自閉症青年と
行動、環境を抑制した自閉症児が登場するという。
本当に自閉症児は療育次第で変わります。可能性が広がります。
人目を避け、いろいろな人のいる場所を避けないで、
自閉症児の経験、学びの場を減らさないで、
ムリだと、最初から決めつけないで、
自閉症だからと枠にはめたり、パターンを押し付けないで、
一緒になって自閉的なしゃべり方をしないで普通に話して、
高圧的に、抑制的に接し続けたら精神年齢はのびません。
確かに、確かに療育は大変だけど5歳ぐらいまでが大事！
シナリオには
適切な療育を受けピュア(大人になっても子供の精神年齢）な心の主演の自閉症青年、
適切な療育を受けられず狭い枠の中で抑制的に育てられた自閉児が出て来るそうだ。
療育の大切さが伝わればいいな。
私の話は参考になりましたか？と聞いた。
すると、主演の青年は劇中自閉症青年の精神年齢を考えることで
見えて来たものがあると言っていました。
